プロジェクション溶接の電極は製品の形状に合わせて一品一様で製作します。
今回は溶接で使用される電極について求められる性能、役割、電極の管理などについて解説いたします。
溶接における電極とは?
電極は、溶接部に溶接電流を供給するとともに加圧力を与え、さらに被溶接物表面を冷却するのが主な役目です。 材料特性としては、導電性が良い、高温での硬度が高い、耐摩耗性が高い、熱伝導性が良いことが必要です。
溶接における電極で求められる性能
溶接工程で用いられる電極には求められる性能が複数あります。
特に以下5点は求められる要素として挙げられます。
1.高温、高圧力で変形しにくいこと
2.熱伝導と電気伝導が良い事
3.被溶接材及びめっき材と合金化しにくいこと
4.大気中で酸化しにくいこと
5.安価であること
電極の選定時にはコストも重視
材料単価は下がるのはもちろん、電極形状に仕上げる加工方法によってもコストが異なります。
特に、簡便な切削ができるか、手間のかかる研削になってしますのか、によってコストに大きく影響します。そのため、単純に材料単価だけではなく、形状によってコストへの影響があることを事前に理解しておくことが重要です。
電極の役割
1.溶接部へ大きな加圧力を加える
2.溶接部へ必要とされる電流を供給する
3.被溶接部の熱を吸収する
以上の役割が電極に求められます。
そのため、通電性や熱伝導率の良さ、硬さ、コストを考慮して一般的には銅合金を使用します。
電極の管理
電極の管理は、3段階のステップがあります。段階によって都度適切なメンテナンスや処理が必要です。
1.表面の汚れや傷み
やすり等で不純物の除去や成形します。この時、スポンジ状のやすり等で、電極形状を損なわずに全体を均等に行うことが重要です。
2.電極摩耗
使用限界点までは再研磨して繰り返し使うことができます(研磨周期設定済)
3.使用限界点に達したとき
これ以上、再研磨できませんので廃棄し、新品に交換します。
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