◆ブローホールブローホール発生(溶接における気孔欠陥)

 継ぎ手の接合部端面の形状不良や不純物付着によって溶接時にガス等が発生し、
 凝固時に接合部の内部に残留しまうことによってブローホールが発生します。
 そのブローホールから漏れが発生します。

《原因》
 原因①接合部形状不良及び錆や防錆油などの不純物が接合部に残った状態で溶接すると、
    ブローホールの原因になります。

 原因②溶接後の保持ステップ(通電を中止し加圧を続けること)で溶接部は次第に冷却凝固し、
    接合が完了します。この時に接合部は加圧力によって組織が緻密になります。
    この保持の時間が短いと、凝固時にガス等が残ってしまいます。

《対策》
 原因①については、溶接前に接合部の形状確認や異物の徹底した除去が大切です。

  原因②は保持時間を長くする必要があります。

溶け込みのアンバランス

継ぎ手間で溶け込み量が大きく異なる欠陥です。片方の継ぎ手の溶け込みが進み、
他方の継ぎ手の溶け込みが極端に少ないと、外観形状が適正でも引っ張り強度が
不足してしまいます。

《原因》
  上下の電極形状が対称でないことにより、溶け込みに違いが発生します。

《対策》
  上下対称な電極を選定する必要があります。

◆散り(バリ)発生

《原因》
 原因①溶接電量(電圧・電流)が低すぎたり、高すぎると散り(バリ)が発生します。

 原因②加圧力が低すぎたり、高すぎると散り(バリ)が発生します。

《対策》
 材質や形状にあった適正な溶接電量(電圧・電流)と加圧力を選定することが重要。
 また、溶接前に汚れや油等の異物の徹底した除去が大切です。

◆過大なくぼみや溶け込み不足の確認

 プロジェクション溶接は、継ぎ手を電極で挟み込んで加圧するため、くぼみは
 当然発生します。適正なくぼみは溶接品質には関係しませんが、過大なくぼみや
 目視では確認できない溶け込み不足は、強度の低下へと繋がります。

検査の実施
・非破壊検査(溶接電流、通電時間、加圧力を自動モニタリング) ⇒ 全数
・接合部の外観目視確認(良好な形状を確認)⇒ 定期検査(初物、終物等)
・破壊試験(母材破壊で、要求スペック以上)⇒ 定期検査(初物、終物等)
・電極の摩耗チェック ⇒ 定期検査(初物、終物等)

※注1:初期流動時期は、検査頻度を短くして品質確認体制を強化し、品質の安定確認後は
    頻度を長くします。

※注2:破壊強度試験において、溶接の継手部分の強度が弱いと溶接部分で破壊してしまいます。
    母材部で破壊すると、溶接継手部分は母材以上の強度ということになります。